「まず「この地域の人」に、シカやイノシシの魅力と美味しさを知ってもらいたい。」
このようなご要望をいただき、香川県東かがわ市へ行ってきました。
ここには四国で「もっとも歴史のある」イノシシ解体加工施設「五色の里」があります。
「ジビエブーム」が起こるずいぶん前から営業されてきた小さな施設ですが、私はこの加工場にくると安心した気持ちになります。
衛生管理や解体技術が優れていることはもちろんですが、食に関わる人間として一番大切なこと、「美味しいお肉を届けよう」その思いと意識、そして経験値は四国でトップクラス。
嫌な匂いは何一つしないし、働いている人たちはいつも明るい笑顔。これってすごく大切な事ではないのかな?
五色の里の木村さんといえば、「イノシシ丸焼き」です。
私も10年前、木村さんのイノシシを食べて、その美味しさに衝撃を受けました。
イベントでは大行列になる人気です。
さてその木村さんからいただいたご依頼の内容は、
1 今年完成予定の「地域活性化センター」での看板商品をイノシシやシカなどジビエにしたい
2 そのためにまず「地元のひとたち」にシカやイノシシの資源としての価値とその美味しさを体験してほしい
3 話だけでなく、調理実習も入れてほしい
4 調理実習は、「家でも簡単に再現できる」メニューで、「飲食店でも使える」メニューにしてほしい
の4点でした!
昨年末、一度打ち合わせにお伺いしたときには、美味しいジビエ料理をご馳走になりました。
(後ろは建設中の活性化センター 産直市とレストランが入る予定だそうです)
イノシシのソーセージやシカロースとはもちろん、木村さんの三色丼も本当に美味しかった!
このとき教えていただいた五名地区の良さとジビエを上手にマッチングできるよう、
・ ジビエで集客するための効果的なマーケティング戦略
・ 売れる商品開発のポイント
・ 原価、売価の考え方と値付けの方法
・ ヨーロッパやニュージーランドなど世界のジビエ事情について
1時間 お話ししました。
「その手の動きは一体なんですか?」
と自分でツッコミを入れたくなりますが、仕方ない、、つい身振り手振りで話してしまのです。
喋りで皆さんのハートをぎゅっと掴んだあとは、調理実習です。(笑)
調理実習や料理教室をするとき、一番大切にしていることは、参加者と地域に合わせたメニューとレシピの提供です。
ジビエの調理にオーブンは付き物ですが、日本の一般家庭ではオーブンを使う習慣がありません。
田舎へ行けば特にそう。
飲食店でもフライパンと鍋だけで調理しているところはたくさんあります。
そこで今回は、「お鍋とフライパンだけで美味しく調理できるジビエ料理」にしました。
また、レストランやカフェで料理を提供する場合には、
「お客様をお待たせせず」「かつ美味しく」「インパクトがあり」「賞味期限が長く」「売れて儲かる」
メニュー作りが肝心です。
そんな要素を入れながら、まずは調理の手本とポイントをお見せしてから、皆さんに作っていただきました。
この日のメニューは、
・ イノシシのポトフ
・ シカとイノシシのつくね鉄板ステーキ
・ イノシシのサクサク一口カツ
山に囲まれた自然豊かな場所では、素材の味が生きて、ご飯にも合うシンプルなメニューが一番です。
ですが、「ジビエ」で「素朴」や「シンプル」なだけでは、売れる商品になるわけではありません。
売れるための大切なポイントも一緒にお教えしました。
最後は皆さんと一緒に試食。
お持ち込みの、シシ汁にイノシシピロシキ、五名の地ビールまで最高に美味しい!
「イノシシやシカの調理がこんなに簡単で、かつ美味しいなんて知らなかった」「目から鱗だった」といった嬉しいコメントを多数いただきましたが、五名のお肉の美味しさが大きな理由だと思います!
今年の5月頃には新しい施設がオープン予定だそうです。
徳島や高松から車で1時間弱のアクセスの良さ!
この夏は「ジビエでランチ」を目的に五名へお出かけする人が増えそうですね!