グアテマラからメキシコへ陸路で移動し、今、メキシコ一番の美食の街「オアハカ」に来ています。
年越しはオアハカ近郊の古代遺跡で迎えることにしたので、昨日、シボルテというヌーディストビーチから7時間バスに乗ってオアハカへ移動しました。
グアテマラのスペイン語学校で10日間スペイン語を習っている時は、まだ頭が仕事と勉強モードでしたが、最後の宿題と仕事を済ませたら、その1時間後にまさかの発熱。
今年初めて風邪をひき、寝込みました!!
風邪は1日で回復しましたが、そこから次から次へと、「厄落とし」「膿出し」のように怪我や病気が連鎖、メキシコに来て10日間で4回も病院へ通うことになり、旅行というよりも病院通いのような旅になっています。
病院へ行くためにタクシーをつかまえ、受付で病状を伝え、先生にもどこが悪いのか必死で伝え、学校で勉強している時よりも、真剣なスペイン語練習になっているのは、ラッキーなことなのかな?
「海外で病気なんてかわいそう〜」
なんて思わないでくださいね。
これが日本だったら、仕事に支障が出ていたかもしれないので、休暇中の病気と怪我でラッキーでした。
(プラス海外旅行保険にも入っていますから!)
ただ一番体調が悪かった時は、このまま脳梗塞か心筋梗塞を起こすのではないかと本気で不安になり、その場で遺言状を書き、万が一に備えました。(笑)
日常の中では、生きていることが当たり前で、明日も明後日も同じ毎日が続くことを疑わないけれど、本当は今日生きていられることが奇跡で、生は死と隣り合わせ。
だからこそこの瞬間を大切に、自分の心に従い、人にも優しく生きていきたいと思った「脳梗塞への恐怖体験」。(笑)
病気と怪我をきっかけに、旅の速度を緩めることにし、一つの街に数日ずつ留まりながら、ゆっくり前へ進んでいます。
グアテマラに到着した頃は、「ヌックスキッチンの西村直子」で頭がいっぱいでしたが、少しずつ「何者でもない自分」に戻っていき、今は空っぽな状態。
一度、空っぽになれば、たくさんのことが吸収できる。
せっかくのメキシコ、気づきや学び、発見をたくさんして、これからの仕事、生き方へ活かしたいと思っています。
私はあと2週間ちょっとで50歳になります。
ちょうど10年前の今日、大火傷の治療のためオーストラリアから日本への飛行機に乗りました。
あの時はこんなに長い間、日本で暮らすことになるとは思いもしなかったけれど、振り返ると大火傷をしたことで、この10年が生まれ本当に良かったと思っています。
40代は仕事に猛進した10年、50代からはどう生きようか、自分の心と対話する日々が続いています。
そんな中、これから少しずつ関わっていきたいと思ったのが、自分では環境や生き方を変えることができない恵まれない人たちへの貢献です。
そのきっかけは、観光客が溢れるクリスマスの光輝く華やかな街にたたずむ、大量の織物を肩と手に抱えた少数民族の小さな女性でした。
人が溢れる複合型レストランを眺めているこの女性。彼女から見える世界を想像すると、胸が痛みました。
日本人と遺伝子的な繋がりのあるこの先住民族の人たち、抑圧され過ぎているのか目に光がなく、人生に絶望しているように見えました。
寒空の中、ビニールサンダルのまま土産物を売り歩く少数民族の人たちの人生を思うと、私に何かできることは何だろうと考えています。
さて話は病院へ戻ります!!!
一昨日は、60キロ離れた病院へタクシーで往復しました。
帰路、タクシーの運転手さんを誘ってお昼ご飯を一緒に食べましたが、この魚料理が美味しかった〜。
メキシコでは魚の向きが日本と反対!!!
戻りの車中で、
「今日の魚は本当に美味しかったなあ」
と運転手さんが嬉しそうに何度も言ってくれるたびに、親切にしてくれるこの国の人たちに少し恩返しができたような気持ちになりました。
旅は人生の縮図です。
日本へ帰国したら、皆様に喜んでいただくことはもちろん、新しい発見や気づきに繋がるような仕事をしていきたいと改めて感じた出来事でした。
最後になりますが、2019年もたくさんの方にお世話になりまして誠にありがとうございました。
月に1度のテイクアウトショップへご来店くださった皆さま、本当にありがとうございました。
お久しぶりの方や新たに知り合えた方々、たくさんの出会いに恵まれ幸せな1年でした。
2020年はさらにパワーアップし、新たなスタイルでの提供、そしてもっと居心地の良い空間づくりにも励み、私らしい「日本のジビエ」を高知から発信していきたいと思っています。
今年も残り1日ですね、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。